外資系企業では原則として、目に見える形での成果を重視します。
20代の若い人であれば、将来性、可能性に期待されるということもありますが、30代になったら結果が求められます。
「今後、がんばります」、「いまから勉強して何とかします!は通用しません。しかも、その結果を継続して求められるのです。
以前結果を出したことがあるんだから、いつかまたやってくれるだろう」というような寛容な、長期的な見方はしてもらえません。
その時どうか、それまでトータルとして何をやったか、できたかが判断基準なのです。
これは、採用の判断基準でも同じです。
採用可否、給料の判断基準となるのは、それまで何をやってきたかです。
その実績を習景に、入社してから結果が出せれば、ポジションや収入をすぐにあげてもらえる可能性も高くあります。
外資系企業に転職したいという人が、これまでやりたくてもできなかった職種をやってみたいと希望するケースもあるようですが、第二新卒(新卒で入社後、三年以内に退職する人)などの若い人ならともかく、30代以上の人には難しいことといわざるをえません。
即戦力を求める外資系企業では、30代以上の人間を採用するかどうかを決める場合、基準となるのは何をしてきたか、即戦力として何ができるかです。
これまでやったことのない仕事をしたいと望んだら、過去の実績という判断材料がないのですから、評価は低くなるでしょう。
万が一採用されたとしても、「勉強期間」を与えてはもらえません。
それまではその仕事はしていなくても、いつかやりたいと勉強していて、すぐに成果を出せるという自信があるのでなければ、それまで自介がやってきた仕事での経験·実績を武器にし、それで勝負することを考えるのが賢明といえます。
いままでの実績が評価され、与えられたポジションで成果をあげることができれば高い報酬が期待できるのです。それこそが、外資系に転職をする醍醐味というものでしょう。
私は30歳代後半から外資系企業で働いてきましたが、一貫して人事畑にいます。
それは最初に勤めた日本企業で人事の仕事をし、その経験、知識スキルが武器になったからです。日本企業で人事の仕事についたのは、希望したからではなく、たまたまでした。
最初に外資系企業にはいるときに提示された年収は840万円で、当時日本企業に勤める38歳の私にとって、それなりに魅力のあるものでしたが、実際には、転職したその年に年収1千万円を超えました。
3年以内に1,500万円になったのです。これが外資系企業の大きな魅力の一つであることは間違いないと確信しました。
そして、武器になるだけの経験·知識·スキルがあれば、それを正当に評価し、いい条件を出してくれます。そのうえで、さらにいい結果を出せば、それがまた評価されて、もつといい条件を提示してくれるのです。
その経験、知識・スキルをアピールするために最も重要なものの一つが、職務経歴書です。
職務経歴書と言われても初めての人にとってはどうやって書いていいのか分からないと思いますが、このように職務経歴書の書き方については先達の色々な知恵が手に入りますので、参考にしてみてください。
上杉雅樹「外資系企業 超転職法」からの抜粋